ドラマレビュー「十角館の殺人」

まえがき

皆さんこんにちは。

ミニマリスト研究生の結城ソラと申します。

今回はHuluオリジナルドラマ「十角館の殺人」について、感想なんかを書いていきたいと思います。

最初に私のこのドラマの評価を書いておきます。

私的には星5段階評価なら星3つ。

100点満点なら70点。といったところでしょうか。

以下に評価点などを書いていきます。

「十角館の殺人」とは

まず「十角館の殺人」は同名の小説が原作のミステリーになります。

原作者は日本ミステリーの巨匠「綾辻行人」先生で、本作はデビュー作になるそうです。

以下にWikipediaの概要を引用します。

以下引用

十角館の殺人』(じゅっかくかんのさつじんThe Decagon House Murders)は、推理作家・綾辻行人のデビュー作品である長編推理小説。1987年に出版され、「館シリーズ」の第1作となる。2022年12月時点で累計発行部数は152万部を突破している。

引用終わり。

現在はコミカライズもされており、全5巻でサクッと手軽に本格ミステリーが味わえて読みやすいです。いくつか原作と大きく異なる点がありますが、物語上重要な部分は当然原作準拠になっており、活字が苦手な方でも入りやすいので、気になった方は漫画版も読んでみるといいかもしれません。

映像化不可能と言われた本作ですが、今回は何かと悪い意味で話題の日テレの実写ドラマ化ということで、正直不安しかありませんでした。

そもそも特定のサブスクでしか見られないのが気に入らなかったので見ようとは思っていなかった作品です。

実写化したってどうせ原作を超えられないだろうし、漫画版は漫画版でうまいことやっていたけど、あれは小説だからこそできたトリックを、漫画ではまぁ割とうまいことできたよねーくらいの評価でした。

私自身も読んだ順番が「漫画版2or3巻まで→小説版を電子で最後まで→漫画版完結後5巻まで」という割と変則的な読み方をしました。

一応例の一文に関しては原作で体験したあとに漫画版を読んだことになります。

そういえば新しく出た(?)書籍版では例の一文がちょうどページを捲ったところに来るような粋な演出がされているようですね。

私は電子で読んだのですが、文字サイズとかの関係か、たまたまページ送り後に例の一文が来ていました。この点だけは電子でもラッキーだったなと思いました。

たまたまなのか、電子版でも何らかの技術でそうなっているのかわかりませんが、一応素晴らしい読書体験はできました。

そんな素晴らしい読書体験が出来ていた今作ですので、正直小説版以上の体験なんてどうせ出来ないだろうと思っていました。

しかしなんだかんだで気になっている間にいろいろレビューなんかを調べたところ、そんなに評判が悪い作品ではなさそうな感じがしたので思い切って見ることにしました。

しかし非常に忌々しい事にHulu独占配信の模様。

もともと割とサブスクアレルギー気味な上に、日テレに1円でも金が流れると思うと非常に嫌な気持ちになりましたが、1月分だけ契約して視聴後即解約しました。

私のサブスクアレルギーとTV嫌いの話は置いておいて、この後は感想なんかを書いていきたいと思います。

感想

まず最初に書いた通りこのドラマの評価としては70点くらいの感想です。

まぁ面白かったですが、絶賛するほどではない。と言った感じです。

全部で5話で各50分前後の大体4時間くらいでした。

まぁドラマと思えば長くないんでしょうが、ドラマを見慣れていない人種からすると少し長いように感じましたが、物語的に切れるところも無いですしこの体感の長さは慣れだと思うので原点対象にはなりませんでした。

時間的に映画を2本見たと思えばサブスク代の約1000円はまぁ妥当だと思うようにします。

ストーリーの舞台は1980年代の大分県。原作の初版が1987年なので、時代的にもその辺りです。

メイキングというか原作者とキャストの対談も見たのですが、この時代設定は原作者の意向というかこだわりで、綾辻行人先生の「1986年にしてね。」という注文をしっかり実行したようです。

作家先生というか原作が小説の場合はそういう作者の意向はちゃんと聞くんだ。ともやっとした点は少しマイナス要素でした。これは作品というか制作会社というか日テレ制作という点でのマイナスですね。

これが漫画原作だったら無視して原作レ⚫︎プがされるのかと思うと本当にtvって害悪でしかないなと思いますね。

少し脱線しましたが、舞台が昭和の1986年の大分県本土と近海にある角島という島の2箇所で物語が展開していきます。

今回のドラマを見ていて一番残念だったのがこの点でした。

この時代設定を現代の感じでやるのは終始違和感があってしんどかったです。

なんというか作者の先生のこだわりの部分の「現代にしないでくれ」という言葉の本音は「実写化しないでくれ」って意味だったんじゃないかと思います。

この小説はもう30年以上前の作品ですが、現在読んでも全く古さを感じない作品です。

いわゆるクローズド・サークルもので、世間から隔離された島が舞台ですのでいつの時代に読んでもある程度の不便な点は納得できるわけです。

仮にスマホやPCがあっても「まぁ無人島なら電波なんてないよね」となるわけです。

だからまぁ80年代を舞台にするまではいかなくても、90年代後半とかでも良かったんじゃないかなぁと思いました。

あと場所の名前や大学の名前をアルファベットにするのはなんとかならなかったのか。って思います。

原作準拠で「K大」とかちゃんとしてるなぁと思っていましたけど、これが罠なんですよねぇ・・・。

「K大」ってドラマみたいに音でというかセリフで聞くと「ケイ大」なんですよね。

こうなると頭の中で勝手に慶大や経大とか京大と補完できるわけです。

これはたまたまというか「K」だったから良かったわけです。

しかし「J」とか「S」だと日本語のセリフとして言葉にしたときに強烈に違和感があります。

なんのアルファベットだったかはよく覚えてないけど違和感だけは強烈に残ったのを覚えていてその点もマイナスポイントでした。

マイナスポイントばかり挙げるのはアレなので良かった点も。

というか70点なんでトータルすると良かった点のほうが勝っています。

マイナス点のほうが印象に残りがちなだけで。

個人的に一番良かった点としては、キャスト陣です。

私はそもそもTV嫌いですので、最近の役者さんはほとんど知らないのですが、今回のキャストの方々は全員素晴らしかったと思います。

特に本土パートの主役であるコナンくんと島田さんはかなりのハマり役だったと思います。

島パートのキャストのみなさんも、私的にははじめましての方が多くて、いい意味で変に特徴がない演技ができる方達だと感じられたので、原作を読んでいない視聴者には非常に良かったのではないかと思います。

原作知ってる勢からすると、登場人物たちが出てきた時点で「あぁこうやってやるのね」と思うような演出も多々ありましたが、初見の視聴者さんなら特に違和感も覚えることなくスッと見られたんじゃないでしょうか。

あと、いろんな方のレビューを見ていて知ったのですが、どうやら配信限定にする意味が大いにあったようで、配信なら「各話のラストにスタッフロールを載せない選択ができる」らしいです。

それを聞いてなるほどと思いました。

あと、島田さんとエラリィの推理モノ好きが行き過ぎると人間はどこかおかしな人間に見える感じが今回のドラマでは非常によく出ていて良かったと思います。

キャストの皆さんの演技が本当にお上手で、私は俳優業界に全く明るくないのですが皆さん確かな実力ですごく良かったです。

本音をいうと本当に不安だったんです。

こういう原作が完璧に面白い作品って実写化すると名前だけ売れている俳優を使って客寄せの駄作に成り下がりがちじゃないですか。

その点配信限定に下のはかえって良かったのかもしれませんね。

これが2時間の映画にされて顔と一部人気があるだけの事務所の男が棒読みで演じるクソ作品にならなくて本当に良かったと思います。

まぁそもそも見る前にいろいろレビューを見て、以外にも高評価の声が多かったから見てみようと思ったわけですけどね。

視聴にお金もかかるわけですし。

評判悪かったら見てません。

「概ね高評価」という評判には私も納得できる、割と珍しい「もしかしたら原作未読のほうが楽しめるかもしれない希有な実写化割と成功な部類の作品」とい感じでしたね。

まとめ

今回はHuluオリジナルドラマ「十角館の殺人」のレビューをしました。

改めて私の評価は

星5段階評価なら星3

100点満点なら70点

といった評価になります。

これは私が原作、漫画版ともに読んでいるからの評価になると思います。

原作読了勢が「そんなに怒ってない実写化作品」というのは珍しいと思います。

近年の作品としては非常に珍しいし、日テレのくせに原作を尊重した作品で驚きました。

しかしこれがミステリー小説が原作ではなく、ミステリー漫画が原作だったら作者の意向なんか無視して原作無視して意味不明な展開を追加してキャストもジ●ニーズばっかりのクソにされるんだと思うと嫌な気持ちになります。

「日テレに金を払わないと見られない点」と「原作準拠にこだわり過ぎて地名をそのままアルファベットで読んでいる点」「80年代舞台を現代で再現しているゆえの違和感」くらいしかマイナス要素のない良い実写化だったと思います。

上記の点以外は特に貶す要素もなく、むしろよく頑張ったと思えるくらいです。

私的には名前と顔がいい意味で知らない俳優さん達ばかりだったので、変に人物を覚えやすくないように出来ている点もこの原作的には高評価です。

結論。

「1000円で2時間映画2本見たと思えば安い。と思えるくらいには良かった。」

Huluにもう加入している方でまだ見てない方は見てみても時間の無駄にはならない作品です。

ぜひ原作を読んでほしいですが、活字が苦手な方は漫画版も検討してみてください。

そもそも無理のある実写化を無理やりやっている感は否めないですが、本だとその点完璧ですし、漫画版は漫画版でうまいこと出来ているので、興味を持った方や「心の底からTV局にお金を払いたくない人」は書籍もご検討ください。

今回のドラマはよく出来ていて良い作品の部類だと言えますが、流石に原作で読むほうが心地よい体験はできると思います。

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