読書レビュー「モルグ街の殺人」(エドガー・アラン・ポー) 1841年発表

はじめに

皆さんこんにちは。

ミニマリスト研究生の結城ソラと申します。

今回はエドガー・アラン・ポー著「モルグ街の殺人」を読んだのでレビューをしていきます。

今回私が読んだのはkindleで読める0円の小説と、まんがで読破シリーズの漫画版の2冊になります。

最初に評価しておきますと、100点満点評価で

小説版は55点、漫画版は75点

といったところでしょうか、以下に詳しくレビューをしていきます。

選書理由と読書環境

本作を読もうと思ったきっかけはYouTubeチャンネルの「ほんタメ」で紹介されていたからです。

「ミステリの原点」とでも言えるような、いわゆる探偵や語り部が出てくるような推理小説の原型ともされる作品だと紹介されていて興味を持ったので読んでみました。

「青空文庫で無料で読める」というところにも惹かれてとりあえず読んでみようと思い、Kindleで探してみたところ0円で買えるものがあったのと、Kindle Unlimitedで「まんがで読破シリーズ」が読み放題作品の対象だったこともあり、どちらも1回ずつ読みました。

使用端末は「Kindle Oasis」を使用しています。

私の基本スタイルは「小説と少量の漫画はKindle oasis」「たくさんある漫画はタブレット」という使い分けをしています。

もう少しoasisの動作が安定してくれるか、新商品の登場をかれこれ5年は待っています。

漫画を何冊か読んでると急に止まることが増えてきたんですよね・・・

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「モルグ街の殺人」とは

今回記事を書くにあたって初めてWikipediaで調べてみました。

以下Wikipediaより引用

モルグ街の殺人」(モルグがいのさつじん、The Murders in the Rue Morgue)は、1841年に発表されたエドガー・アラン・ポーの短編推理小説。ポー自身が編集主筆を務めていた『グレアムズ・マガジン』4月号に掲載された。史上初の推理小説とされており、天才的な探偵と平凡な語り手、結末近くでの推理の披露、意外な犯人像など、以後連綿と続く推理小説のジャンルにおける原型を作り出した。密室殺人を扱った最初の推理小説とも言われている。

本作の素人探偵C・オーギュスト・デュパンは、半世紀後に出現するシャーロック・ホームズの原型となった探偵であり、デュパンが登場する続編として「マリー・ロジェの謎」(1842年-1843年)、「盗まれた手紙」(1845年)がある。

引用終わり

改めて200年近く前の作品が今でも読めて、それでいてある程度ちゃんと面白いっていうのはすごいですよね。

あらすじとしましては、語り部である「私」なる人物の目線で話が進んでいき、探偵役の「デュパン」という名家の出の男との出会いから語られていくような進み方をしていきます。

この探偵のデュパンが非常に優れた分析力と観察力を持った超本の虫人間であり、趣味があった「私」に語りかけるように事件を解決に導いていくお話でした。

フランスのパリに長期滞在している「私」と探偵の「デュパン」が新聞記事でモルグ街のアパートで起こった悲惨な殺人事件の事を知る。何とも不可解な内容だったためデュパンが興味を持ち、彼が犯行現場への立ち入り許可をもらい調査と推理を進めていく、というようなお話です。

感想とレビューと印象に残った一文

私が最初に読んだ小説版は流石に昔の文章なだけあって非常に読みにくい文章でしたが、短い内容だったので何とか読み切れました。それでも1時間〜2時間くらいはかかった印象です。途中お菓子やドリンク休憩も挟んだので。正直これで長編だったら間違いなく挫折していたことでしょう。

一方まんがで読破シリーズの方は流石漫画の一言。とっても読みやすく体感5分くらいで読み終えた感覚です。そのくらい漫画はやはり読みやすい。

素晴らしい発明だと思います。

小説版と漫画版の違いですが、漫画版の方に一部加筆部分があったのと、まとめられるところはちゃんとまとめてある部分があったり、どうしても文章だけでは想像しづらい当時の街の風景なんかが描かれているのはありがたいところです。

あと小説版で書かれている内容をそのまま受け取るといくら大昔のフィクションとはいえファンタジーが過ぎるので腑に落ちないところがあったのですが、漫画版ではその辺りがかなりわかりやすく補完されていたので非常によかったです。

この本で最も印象に残った一文は

必要な知識は、なにを観察すべきかを知ることなのである。」エドガー・アラン ポー. モルグ街の殺人事件 . 青空文庫. Kindle 版.

です。この一文は小説版にのみありました。

なんというか人生において必要な知識だと思ったので印象に残っています。

作品の内容としては一応「どんでん返し」と呼ぶべき作品なのでしょうか。予想外の結末ではありました。納得出来るかどうかはおいておいて。

なんというかいかんせん古い作品ですので原案を英語で読めるなら違った感想になるのかも知れませんが、今翻訳版を読むといろいろ混乱すると思うので、気になる方は漫画版の方をお勧めします。

ファンタジーが過ぎると前述しましたが、ちゃんと調べたところ私の知識不足により勝手にファンタジーな内容になってしまっていたようで、ちゃんと知識がある方や、疑問をすぐに調べる方はそういう印象は抱かなかったと思います。

この辺りは間違いなく現代語訳にするなら起きえない現象です。しかも犯人に関わる重要な事です。

翻訳の単語ひとつで全く違った印象を受けるので翻訳家の方は大変だなぁと思いました。

漫画版は最初からかなりわかりやすくされているので、私が陥った推理小説なのに謎にファンタジーなトラップはありませんでした。

それどころか序盤からきちんと伏線も張られていて非常に読みやすかったです。

私は小説、まんが版の順で読んだので55点と75点という評価を付けましたが、これが逆だと漫画版75点は変わらずとも小説版はもっと下がるかも知れません。

それくらい犯人に繋がるあれの翻訳が紛らわしいと思いました。

そこの点で大きく減点したのと、単純に昔の文章すぎてかなり読みにくい点もマイナスでした。

お話の内容自体は「全てを受け入れたくはないが、まぁそういうこともある。と飲み込めないこともない。」くらいの感じでした。

めちゃくちゃ面白い!って作品ではないので、お時間に余裕のある方は無料なので読んで見てもいいかも知れません。

「大昔の物語を読む」って感覚は持つことをお勧めしますが。

まんがで読破版の方はKindle Unlimited加入者の方はぜひ読んでみて欲しいですね。

この「モルグ街の殺人」のほかに「盗まれた手紙」というお話の全2話収録で、こちらも面白く読めてお勧めです。

まとめ

今回はエドガー・アラン・ポー著「モルグ街の殺人」についてレビューしてきました。

改めて私の評価は100点満点で

小説版 55点

まんがで読破版 75点

になります。

一応弁明しておくと、小説版も面白くないわけではなかったです。

ただ単純に昔の文章すぎて読みづらいというのと、翻訳に紛らわしい箇所があって振り回された点があってこの点数になっています。

推理小説の原型とも言われることのある本作なだけあって読者の予想を裏切る結末ながらも、思い返せばちゃんと考えられるなと気付かされる、まさに原点と言える作品だったのではないでしょうか。

本作「モルグ街の殺人」は小説版は青空文庫で無料で読めますし、Kindleにも0円で読めるものが販売されています。

またまんがで読破版はKindle Unlimitedで読み放題対象作品なので加入者の方は追加料金なしで読めます。

気になった方はぜひ読んでみてください。

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