皆さんこんにちは。
ミニマリスト研究生の結城ソラと申します。
今回は似鳥鶏先生の「叙述トリック短編集」(2018)を読んだのでレビューをしていきます。
今回私が読んだのはkindle版で2021年に発売されたようです。
私も購入したのは2021年9月になっていましたが、積読状態だったようです。
電子で積読とはこれいかに・・・
最初に評価しておきますと、100点満点評価で
85点といったところでしょうか、以下に詳しくレビューをしていきます。
私は今作をkindle版で読みました。記事執筆時点で601円で購入できます。
愛用品のKindle oasisで2日に分けて読みました。
正確に言えば、2つ目のお話までは随分前、それこそ購入した2021年に読んだ記憶があったのですが、何となくその話以降は読んでいませんでした。途中で止めた理由は本当に何となくです。
それでなぜ今になって読み直そうと思ったのかですが「読書習慣を着けたいがいきなり長編だと大変な気がしたので何か短編集を」と思っていたところに思い出したのがこの短編集でした。
出会いのきっかけは以前と同じくYouTubeチャンネルの「ほんタメ」で紹介されていたからです。
ヨビノリたくみさんは個人的に信頼できるYouTuberなので、彼が動画内でオススメしていたのを気になって購入した記憶があります。
今回改めてしっかり読んで、やはり小説にしか出来ない、小説にしかない面白さがあると感じました。
どちらかといえば圧倒的に漫画好きな人間ですが、やはり文字でしか出来ない叙述トリックというものは面白く感じました。
今回の本はまさにそれがメインコンテンツですから、非常に楽しく読めました。
「叙述トリック短編集」とは似鳥鶏先生が2018年に書かれた短編集です。
タイトル通り全編叙述トリックを使った短編集で、何というか前代未聞の短編集です。
そもそも叙述トリックとは何かGoogle先生に聞いてみたところコトバンクというサイトが引っかかりましたので引用します。
以下コトバンクより引用
推理小説の手法の一。文章の記述上の仕掛けによって、読者をわざと誤認に導くもの。一般に、記述から想像される人物像や犯人像に関する読者の先入観を欺くものが多い。
引用終わり
とまぁつまり読者を欺くために意図的に書いてある小説が「叙述トリックもの」となるわけです。
何も知らない読者が普通に読んでいて「そういうことだったのか騙された〜」となるのが叙述トリックだと思っています。
つまり最初から「叙述トリックですよ」と「今からあなたを騙しますよ」と言われても騙されないわけですよ、普通なら。
それを全面に押し出して書かれている本作はある意味で非常識な作品だと言えると思います。
さらに今作には序文に「読者への挑戦状」があります。どこに気をつけて読んでいけば良いのかというヒントまでしっかり書かれているまさに挑戦状です。
気になる方は序文と1作目の短編の序盤までがKindle版のサンプルが無料で読めますのでぜひとも読んで見てください。
私は今回2日かけて読みましたが、読み始めの時間が悪かっただけで時間にするとそこまでかかっていないと思います。
Amazonでも読了の平均時間は4時間54分となっていますので、お休みの日にでもさっと読めるかと思います。
また、内容的にも一応推理小説ではありますが激しい事件は起こらないので、睡眠前に読んだとしても興奮して寝られない、みたいなことにはならないと思いますのでその辺りが気になる方も安心して読むことが出来ると思います。
まぁ「面白くて寝ずに全部読んでしまった」という事にならないとは言い切れないのでやはりお休みの日に一気読みをオススメします。
さてこの「叙述トリック短編集」ですが、最初に言っておきますと非常に面白い作品だったと思います。
今回私は生まれた初めて「絶対に騙されないぞ。謎を解いてやる。」という心算で本を読み始めました。
実際に序文に書かれているヒントを書き出して、横に置きながら読みました。
ただこの読み方は万人にオススメできる読み方ではありません。
特に私のようにどこか捻くれている自覚のある人間にはオススメ出来ません。
ある程度わかってしまうからです。
やはり全然わからないできっちり気持ちよく騙される方が気持ちが良いものです。
今作は作者先生による非常にわかりやすいヒントが序文に書かれているので、わかる人はある程度わかると、わかってしまうと思います。
しかしそれでもわかったのはほ答えに近い非常にわかりやすいヒントを作者先生直々に教えて下さっているからであって、普通にメモなんて取らずに通しで読んでいたらわからなかったと思います。
それでも気付ける人は気付けるくらいの書かれ方はされているので、私はその点と読書前のメモを合わせてようやく気付けた程度ですが、それでも「わかりたくなかった」というのが本音です。
謎を解くつもりで読んで、解けたら解けたで「わかりたくなかった」と言うのはあまりに我儘が過ぎると私も思いますが、人間なんて基本我儘な生き物です。
そして私はとびきり我儘な人間だったと改めて今回気付かされたと言う事です。
私はなるべくどんな本でも気に入った文や気になった箇所は最低でも1冊に1箇所はマークするようにしています。
今回の「叙述トリック短編集」の場合はそれが最終盤だったため詳しくは書きませんが、パクリやパロディやオマージュに関する部分でした。
本当にその通りだと思ったので簡単にSNS等で「〇〇は××のパクリだ」なんて言っている人に読ませたいと思いましたね。
まぁ私SNSはほとんど一切やっていないようなものなので、そういう書き込みを見る機会はほぼ無いのですけどね。
これがサンプルで読める部分だったら書きたいところなんですが、そうでは無いので止めておきます。
少し脱線しましたが、今回読んだ「叙述トリック短編集」タイトルのハードルの上がりっぷりもなんのその、非常に面白い作品でした。
今回は似鳥鶏 著「叙述トリック短編集」(2018)を読んでレビューをしました。
改めて私の評価は100点満点で
85点になります。
こういうものは騙されてなんぼなので、騙され具合をそのまま点数に反映した感じです。
わかってしまった分を減点した形ですね。
今回私は騙されないつもりで細心の注意を払いつつ、作者先生のヒントをメモして、そのメモを片手に読み進めてようやくわかった程度です。
普通に読んでいたら絶対に最後まで気付かない自信があります。
そのくらい騙される、素晴らしい作品だったと思います。
記事執筆時点でAmazonでKindle版が601円
気にならない方は書籍版で中古ならもっと安く読めると思います。
気になった方はKindleで読める無料サンプル分だけでも読んでみることをオススメします。
非常に面白い作品で素晴らしい読書体験が出来ました。
ありがとうございました。